都議会閉会。明日は一か月ぶりに休み家族サービスです。 さて最多の朝日・読売・東京新聞3社が取り上げた8分だけの一般質問。好評な?簡略版、原稿、映像を載せます。知事にケンカうってます。ぜひご覧ください。
■簡略版
①コロナ禍の9月に息子が生まれたけど孤立。昨年4月国10万給付もないよ→誕生が今年1月以降なら10万出すよ。それより前は無理
③子どもが人知れず虐待で死んでる!行政が全員直接ちゃんと会って→区市と連携してやるよ
③豊島病院とかいきなりコロナ専用病院宣言。妊婦の転院支援するって知事は言ったけどウソじゃん。感染対策もざる→知らないよ(答えず)
③コロナでガン検診6掛けで死者が増えるから血液一滴での新診断実現して→都立病院で頑張るよ。まずはガン研に連絡してみるよ
④新技術でコロナ患者が重症化するかどうかわかるから使って→連絡してみるね
⑤東武練馬の駅前危ないから何とかして→夕方は通行止めにするね
⑥隠れて天下りしてるよ!見直して→検討するね
⑦たばこ対策は取締りゼロじゃん→やってくよ
⑧大事な公文書を残すかどうか自分で決められるのはおかしいでしょ→見直すよ
■映像
https://www.gikai.metro.tokyo.jp/live/reg2021-1.html
2月26日一般質問など、を押して宮瀬英治へ3時間18分~
■以下本文
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○三十二番(宮瀬英治君) 昨年九月、息子が生まれました。その経験から質問します。
まず、コロナ禍での妊娠、出産です。
妊娠し産休までの間、妻は、不安を抱えながら会社へ通勤し、母親学級、両親学級ともに中止、入院や出産の立ち会いも禁じられ、一人で出産しました。出産後も感染拡大により、実家の支援だけでなく、本来受けられるはずの行政支援も受けることができませんでした。今もママ友をつくる機会さえありません。
このように孤立した妊産婦や家族が多くいます。新たな支援が必要ですが、現在の都のオンライン化等の対応だけでは不十分です。都として、心理、身体、経済的負担を軽減すべきですが、知事の見解を求めます。
外出もままならず、気楽に相談できる他者もいない中での育児は孤独です。とりわけ、産後鬱や虐待が今懸念されています。昨年の警察庁の統計では児相への通告件数が過去最多。外部との接触も減り、潜在化も指摘されています。
一方、おととし国が全国で実施した緊急一斉点検では、行政が最後の一人まで生徒児童を直接目視するまで行われ、都内では百七十万人の中から虐待のおそれのある百三十四名が見つかり、高い成果を上げました。
この十年の死亡数を見ると、行政の関与なく命を落とした子供は、関与ありに比べ二倍です。今も誰にも知られず苦しみ、死んでいる子供がいるのです。私は、この単発で終了したアウトリーチ一斉調査を都独自で数年置きに実施することを新たに提案します。見解を伺います。
医療です。
知事はツイッターで、豊島、荏原、広尾病院を実質的コロナ専用病院とし、転院が必要となる妊婦には、転院に伴う紹介料や出産費用の差額分など都が負担して、安心して出産できるよう努めると明言しました。
しかし、三病院を調査すると実態は違います。支援を行うのは広尾だけ。ほか二病院での転院は、妊婦側の自己都合とされ、支援がゼロでした。その理由として、地域事情により産科を継続し、その前提として、消毒や通路分離など感染対策も十分に行っているためとしました。
しかし、現場を確認すると、実際は、入り口で手の消毒をせずとも素通りでき、体温チェックどころか、入り口に誰も人がいなかった病院すらありました。そのような状況に、泣く泣く転院を望んだ妊婦に対し、紹介状では出産予定日を四カ月間違える、病歴の記載を忘れるなど、あってはならないミスが起こりました。
さらに、現場で伺ったコロナ対応病床数は都の発表の半分でした。それぞれ事実確認及び改善への見解を求めます。
突然の知事の発信で現場や地域も混乱しました。一連の件についての知事の見解を伺うとともに、知事自身の当初の発言どおり、全ての妊婦へ経済的な支援をするなど、寄り添った対応をすべきですが、知事の、知事の見解を求めます。
次に、がんです。
コロナで亡くなった都民は一日当たり三・五人ですが、がんは九十三人です。今、健康診断やがん検診控えが懸念され、このままでは早期発見、早期治療のおくれにより、来年度以降に死者が増大します。
そこで、直近の受診率変化を初めて伺うとともに、例年規模の三年度予算案を改め、強化すべきですが、見解を伺います。
私は、がん対策として、血液一滴で十三種類のがんが超早期にわかる取り組みをどうしても実現させたい。国立がん研究センターの開発責任者へのヒアリング、国への直接要望、開発企業へも訪問しました。精度九九%、診断結果まで二時間、費用は二万円で済む時代が来ています。各所から都と連携を望む声が多くあります。がんは都民の死因第一位、全国最多であることから、都は支援すべきです。
とりわけ都立病院は、新たながん診断方法の開発など、さらに臨床研究に取り組むべきですが、見解を伺います。
最新医療は、がんにとどまりません。東京医科大学などが共同研究でコロナ重症化を予測する因子を特定したとの報道がありました。直接お話を伺うと、採血し分析すると、今後、陽性者が重症化するか否かが一〇〇%の確率で判別できたとのことです。
一方、都内では、多くの陽性者が自宅待機を余儀なくされ、不安な日々を過ごしていました。陽性判定時に今後重症化するかが判別できれば、安心な自宅療養、早期退院、重症患者に特化した手厚い医療が可能です。
いまだ都にはコロナ対策に最新医療を活用した例がないと聞いております。今後はこのような最新研究や医療を活用すべきですが、見解を伺います。
次に、板橋区の安全です。
東武練馬駅の駅前は、道幅が狭く、混雑時には人、自転車、車が行き交い、事故も多く、時に踏切内で身動きがとれなくなるなど、危険な状況が長年放置されています。
この状況下、板橋、練馬の地元関係者が交通規制で同意が得られる見通しとなり、板橋区は来年度中に交通規制の開始を目指すとしました。
そこで、警視庁は時間帯による通行どめなど速やかに実現すべきですが、見解を伺います。
最後に、改革です。
再就職管理、いわゆる都OBによる天下りです。規定では、退職後二年間は再就職情報の届け出義務と利害関係企業への就職自粛があります。
三年前に明るみになった水道局職員による情報漏えいを発端とした受注企業による談合事件では、届け出義務のない三年目以降に都元幹部が多数再就職していたことが捜査で判明しました。
この教訓から、六十五歳からの年金受給を鑑み、届け出を五年に延長すべきですが、見解を伺います。
次に、受動喫煙防止条例です。
チェックを行う区市町村の負担など、その実効性をかねてより指摘してきましたが、一部の飲食店からは、うちは店内でたばこオーケー、どうせ誰もチェックに来ないからとの声も実際に聞かれます。
施行から一年、これまで勧告、公表、命令、過料処分に至った例はあるのか、また、どう実効性を担保するのか、あわせて伺います。
最後に、公文書管理です。
さきの私の代表質問では、コロナ感染者の予測数をもとに政策をつくる過程において、都は、必要な議事要旨をとっていなかったミスを認め、運用の問題としました。否、これは仕組みの問題です。
さらに調査を進めると、議事が必要か否かは当事局が決められる旨のガイドラインが内部で定められていました。局が必要ないとすれば議事要旨がとられない。これは改めるべきと考えますが、見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕
○知事(小池百合子君) 宮瀬英治議員の一般質問にお答えいたします。
コロナ禍での妊産婦への支援についてのお尋ねがございました。
新型コロナウイルス感染症が拡大する中、閉塞的な環境のもとで、不安やストレスを抱える妊産婦も多いことと存じます。
都は今年度、妊娠相談ほっとラインで、新型コロナウイルス感染症に関する悩みにも対応するほか、助産師によるオンライン相談も実施をいたしております。
さらに、本年一月一日以降、子供が生まれた家庭に十万円分の家事支援サービスや、育児用品等を提供する東京都出産応援事業を来年度から実施いたします。
また、区市町村におきましては、妊婦面接におけますオンライン等の活用や、乳幼児健診を集団健診から医療機関での個別健診へ変更するなど、感染拡大防止に留意しながら母子保健事業に取り組んでいます。
今後とも、区市町村と連携いたしまして、コロナ禍において不安を抱えながら出産、育児に悩む方々を支援してまいります。
残余のご質問につきましては、警視総監及び関係局長からの答弁といたします。
〔警視総監斉藤実君登壇〕
○警視総監(斉藤実君) 東武練馬駅前通りの交通規制についてであります。
本件は、現在、板橋区が主体となって地元商店街や地域住民などと意見調整を行っているものと承知をしております。
今後、地域住民等の合意形成がなされた場合には、時間帯による車両通行どめなど、安全と円滑に配慮をした交通規制の見直しを検討してまいります。
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕
○福祉保健局長(吉村憲彦君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、居所不明児童等の安全確認についてでございますが、区市町村は毎年度実施している乳幼児健診未受診者、未就園児、不就学児等の状況確認調査で、地域とのつながりがなく、居住実態が把握できない児童について、要保護児童対策地域協議会等と協力しながら、目視による安全確認を行っております。
この調査での児童の安全確認がより適切に行われるよう、来年度、関係各局と連携しながら、学校や保育所など関係機関に対して、区市町村への確実かつ速やかな情報提供を依頼いたします。
また、区市町村によって把握すべき調査対象に差が生じないよう、今後、調査で把握する児童の範囲を検討していく考えでございまして、区市町村と連携して児童の安全確認を徹底してまいります。
次に、コロナ禍における健診等についてでございますが、都が本年一月に行った調査では、昨年四月から九月までに、区市町村が実施した健診等の受診者数は、一昨年同時期と比較して、特定健診が六八・四%、がん検診が六三・八%となってございます。
特に四月と五月は健診等の実施を控える区市町村が多く、受診者数が大きく落ち込みましたが、その後、全ての自治体で健診等が再開されており、六月以降は徐々に回復傾向にございます。
都は、定期受診の重要性等を都民に繰り返し周知するとともに、感染防止対策や受診率の向上に向けた区市町村の好事例を共有するなど、都民の受診機会の確保に向けて引き続き取り組んでまいります。
最後に、受動喫煙防止対策についてでございますが、改正健康増進法や受動喫煙防止条例が全面施行となった昨年四月以降、各保健所では電話や訪問による啓発、指導等を実施しているところでございますが、これまで法律等の義務違反などによる勧告、公表、命令、過料処分に至った事例はございません。
都はこれまで、ポスターやリーフレットを作成し、都民や事業者に向け、条例遵守を繰り返し啓発しているほか、保健所設置区市が実施する飲食店への個別訪問など、地域の実情に応じた取り組みを支援しております。
引き続き、飲食店の状況の調査分析や保健所との意見交換等により、保健所の円滑な啓発、指導等の取り組みが進むよう支援してまいります。
〔病院経営本部長堤雅史君登壇〕
○病院経営本部長(堤雅史君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、重点医療機関である広尾、荏原、豊島病院の状況についてでございますが、重点医療機関である三病院につきましては、感染症専門医等の知見を生かしながら、病院内での感染対策を強化しており、一般患者とコロナ患者の出入り口を分離し、一般患者の出入り口では、体温計測や手指消毒をせず通過することがないよう、声かけ等の徹底を図っております。また、院内でも一般患者とコロナ患者が交わることがないよう、動線等を分離しております。
診療情報提供書の記載に誤りが一件ございましたが、既におわびをした上で正しい書類を交付しており、再発防止のため、患者情報の内容確認を徹底しております。
コロナ病床数でございますが、各病院それぞれ二百四十床、合計七百二十床を予定どおり確保しておりまして、積極的にコロナ患者を受け入れており、ご指摘は当たりません。
次に、妊婦の方への支援についてでございますが、三病院につきましては、コロナ患者の重点医療機関化により、転院が必要となる妊婦の方に対して支援を行うこととし、周知を図っております。
広尾病院は、重点医療機関とすることで産科を全面休止といたしました。そのため、転院が必要となる妊婦の方に対し、転院の際に必要な診療情報の提供料や、病院に通院する際のタクシー代、出産費用の差額分等を負担するなどの支援を実施したものでございます。
一方、荏原病院、豊島病院につきましては、重点医療機関化後も感染対策を徹底しながら産科を継続しております。現在、それぞれ約三百名、約二百四十名の方に産科をご利用いただいておりまして、妊婦の方が安心して出産できるよう、安全対策を徹底してまいります。
最後に、がん対策における臨床研究の取り組みについてでございますが、がんを早期に発見し、適切な治療に結びつけるためには、正確で迅速な診断方法の確立が必要であり、臨床研究は治療や診断の有効性や安全性を確認するために、不可欠なプロセスでございます。
都立病院におきましては、希少な疾患を初め、数多くの症例に関する診療実績があり、これまでも社会的な重要性や学術的な価値があると判断されるさまざまな臨床研究を進めてまいりました。
今後も、東京都医学総合研究所を初めとした研究機関等との連携を図りながら、新たながんの診断方法や治療方法の開発など、都立病院における臨床研究を推進してまいります。
〔福祉保健局健康危機管理担当局長初宿和夫君登壇〕
○福祉保健局健康危機管理担当局長(初宿和夫君) 新型コロナ対策での医療技術の活用に関するご質問にお答えをいたします。
新型コロナウイルス感染症への対策を効果的に進めていく上で、先進的な医療技術の活用を含め、科学的知見に基づいた対策を講じることは有効でございます。
そのため、東京iCDCでは、大学や研究機関等との連携の強化を図るとともに、専門家ボードに疫学、公衆衛生や感染症診療、微生物解析、研究開発など、幅広い分野の専門家の方々に参画をいただき、その知見を生かした取り組みを進めております。
今後も、最新の医療技術等について、国や関係機関の動向を注視いたしますとともに、専門家の知見を活用した効果的な感染症対策を推進してまいります。
〔総務局長山手斉君登壇〕
○総務局長(山手斉君) 二点のご質問にお答えをいたします。
初めに、職員の退職管理についてでございますが、都を退職した職員への再就職状況の届け出期間について、職業選択の自由や個人のプライバシーに十分に配慮しつつ、公務の公正を確保するため、国家公務員と同様の二年間に設定してございます。
職員の退職管理については、離職後の就職状況はもとより、国において検討が進められている公務員の定年引き上げなど、高齢層職員の雇用のあり方に係る状況を踏まえる必要があると認識してございます。
今後とも、都民の信頼を損なうことがないよう、退職管理の厳格な運用を図り、再就職の公正性、透明性を確保してまいります。
次に、政策形成過程の経過等を明らかにする文書の作成についてでございますが、公文書管理条例第六条第三項におきまして、実施機関は、重要な事案の決定に当たっては、その経過等を明らかにする文書の作成が求められております。
制度を所管する総務局といたしましても、昨年十月には、新型コロナウイルス感染症対策に係る公文書管理の重要性に鑑み、当該規定の趣旨等の通知や、関係文書を多く扱う部署にヒアリングを行い、管理状況について指導助言を行ってございます。
また、条例のガイドラインに通知の内容を反映させるとともに、ヒアリングの際には、経過等を明らかにする文書の作成状況を確認し、引き続き管理の適正化に向けて取り組むこととしてございます。