私の都議としての使命は、30年以内に7割の確率、都内だけで16万人の死傷者がでると言われている首都直下地震への対策です。しかも30年経てば、可能性がゼロになるのではなく、さらにその確率は跳ね上がります。また首都直下地震だけではなく南海トラフ地震、内陸の活断層、火山の噴火など多くの死や悲劇から人を守らなくてはなりません。
そこで本議会や委員会では様々な首都直下地震への質問を毎回行ってきました。一方で都庁は巨大組織ですので行政の仕事は時間がかかります。明日起こるかもしれない災害に対し、”いますぐ”何ができるか、熟慮に熟慮を重ねこのたび災害用ポスターを作成しました。
都政で見えてきたこと、神戸市の取り組み、板橋区の危機管理課との協議、消防団員としての知見、NGO・世界の災害地での15年の経験などなど、限られたスペースにすべてを総動員しました。
■ポイント① 24時間のAEDの設置場所の明記
災害時は、残念ながら救急車は来ません。道路が遮断され、電話回線もパンクします。その際、東京消防庁が全体を俯瞰し自らの意思で優先順位をつけて消火救命活動をします。またAEDの重要性は災害時にかかわりません。、平時における救急車の到着までの平均時間は約8分。心停止から22分以内に救命措置を行わなければ蘇生率はほぼゼロとなります(写真参照)。
そこで平素からAEDがどこにあるのかを把握することはとても大事なことです。あなたの大切な人の命が失われそうになった時に何もできなかったら、、、、そんな苦しみを少しでも取り除きたい。大抵は、AEDの場所は交通機関や行政の事務所にありますが、おそらく災害時には取り合いになる可能性があります。また夜間はそういった場所は閉まっていますのでAEDが使えません。
そこで神戸市のように近くの民間のAEDの所在を板橋区と連携しながら調べ使用許諾をもらおうと思っています。また深夜使えるAEDの場所はあまり知られていないので、最寄りで夜間も使える場所も載せました。「24時間」「最も近くの」「多くの」AED情報をお伝えしたいと思います。
■ポイント➁ 避難所、広域避難場所の明記
行政では災害時に、その状況に応じて一時集合場所、避難場所、避難所と場所を設けております(その名称と役割は画像フローチャート参照)。ポスターではスペースが限られており、その単語をみてもよくわかないので、避難所と広域避難場所と明記しました。
一時集合場所と避難所は大抵は同じ場所のケースが多いので、避難所の場所といたしました。また地域外の人が被災するケースももあるので住所も記載しました。
■ポイント③ 子どもも含む、真に困っている人のためのホットライン
こちらは災害時というよりは、平時向けです。いままで始発から終電まで立って人の話を聞いて、行政機関を紹介したり、行政が動かなければ一緒に窓口に足を運んだり、仕組みがおかしければその政策提言に生かしてきました。
しかし私も時間が限られ、また板橋には22もの駅があるため満足にできません。そこで携帯電話を思い切って載せました。また大人だけではなく、虐待にあっている子、学校で問題を抱えた子などもきっといるはずなので、あえて「子どもも対応」と記載しました。
文教委員会の所属なので当然です。行き場のない、”真”に苦しんでいる人のためにきっと役に立つと思います。携帯電話を載せることは、ほとんど全員周りの人は反対しましたが、いたずら電話や嫌がらせの電話は覚悟した上であえて載せました。始発終電ではありませんが、100分の1の自分が24時間立っているのと同じ状態にしました。
■ポイント④ 信用の明記
本来なら名前も肩書きもいらないと思ったのですが、素性と顔のわからない人には相談も信用もできないとのことで、都議会議員、名前、プロフィール、またよく聞かれるので党名もいれました。維新の党ではありますが、すべからく皆さんの税金で食べていますのでどの党の支持者であっても、対応することは言うまでもありません。また災害情報なので首都直下地震対策を専門としていること、消防団大会に選手で出場するなど消防団員であることもなども信ぴょう性のために明記しました。なお全定例会で首都直下地震の質問をしているので「首都直下地震対策 質問数No1」と書こうと思ったのですが、任期も途中なので謙虚な気持ちで「質問数No1へ」にしました(笑)。
以上、です。正直に言えば、調査、AED交渉、テプラ印字など正直1枚1枚カスタマイズしていくので膨大な手間暇とコストがかかります。私の選挙もまだまだ先ですが、人の命が掛かっているので必ずやりきりたいと思います。このポスターでたった一人の命でも救うことができれば良いと思っています。
私は選挙や自分のためにではなく、人のためにと政治家になりました。いままでのような政治家のポスターではなく「人に役立つポスター」を作りたい。そんな志から実施までに1年かかりましたが、いまの私ではこれ以上のものはつくれません。
もちろん災害対策は避難所やAEDだけではいけません。また私は東京都議ですので今まで同様、東京都全体のことを見据えながらも引き続き政策提言をしていきます。ただポスターを創りながら思っていたのは、「ひとりの命を救えないものが全体の命のことを考えられない」との思いです。
これからもひとりひとりの救えるはずの命を守っていきます。「掛け声」ではなく、「行動」で。。。。。
東京都議会議員
宮瀬 英治
※PS、この人の役に立つポスター貼ってもいいよという場所がありましたらご紹介ください。